マラケシュ日本祭宗教の話②~宗教は道徳とマナー~

2019年03月04日

宗教の話①~日本人は信仰が深過ぎ~

協力隊員になってショックを受けた事のひとつ。
それは協力隊員(日本人)の宗教観。

訓練所や同僚に「俺は教会に通っている」と言うと、
「神を信じてる人は、神が言ったこと何でもするの?」とか聞かれたり、
「他人と宗教の話はしちゃダメだよ」と言われたり。

日本の宗教離れは、宗教への無関心でなく、
宗教に対する偏見が強いと思った。

確かに宗教関連の驚くような事件やニュースを耳にするし、
アニメ・映画・漫画などの怖いイメージも強いと思う。
それに勧誘行為や街灯での広報活動もうざい。

でもそれは極一部の特殊な宗教の話で、
もっと気軽で身近な関わり方もたくさんある。

日本人は真面目だから、
「信仰」とは「隙間なく神様を信じている人」というイメージが強いみたい。
もちろん、そーゆー人もいる。
でも、そうじゃなくても良いじゃないか。

一般的な日本人は無宗教というけれど、
イスラム教のモロッコ人より、よっぽど真面目に信仰している。

「私、家は仏教だけど葬式・法事くらいしか関わりない」
って充分じゃないか。
寺にお布施を納めていたら、それで立派な仏教徒。

あるモロッコ人が言っていた。
「辛い時にお祈りすると、落ち着ける。
その時間を与えてくれるだけで充分。」

モロッコ(ラバト市)の場合、俺が感じた雰囲気だと、
毎日お祈りしているのは40%くらいだと思う。

60%くらいがイベント時だけモスクでお祈りする人達。
旅行とか、家族の集まりとか、祭日とか、サッカーの試合とか。
一般的な日本人と同じだね。旅行・初詣・墓参りの時だけ寺に行く。

普段はモスクに行かなくても、親がムスリムだからムスリム。
イスラム教の国に生まれたからムスリム。
普段はお祈りしなくても、小さい頃からイスラム教の話を聞いて育ったからムスリム。
それでも正真正銘、立派なムスリム。それでいいじゃない。

「ラマダン」は大勢の人が参加するイベント。
それを日本人に言わせると、
「ラマダン中は彼らは天国に行くためのポイントが多く稼げる期間で、彼らにとっては大切な云々・・・」
って多分モロッコ人はそこまで深くは考えていないと思う。
初詣、七五三、クリスマス等と同じ。
行事に宗教的な理由があるけれど、多くの人にとっては深く考えずに参加しているイベント。

日本人って仏教?神道?
「両方」で良いじゃないか。
一般的な日本人は複数信仰だよ。

もちろん本格的に関わると、複数信仰を禁止している宗派もあるけれど、
一般的には「複数同時信仰している」でいいと思う。

日本人は自ら信仰のハードルを上げ過ぎ。
「イベント時くらいしか祈らないから信仰とはいえない」とか。
「ひとつの宗教・宗派に専念していないと信仰じゃない」とか。
モロッコ人よりも、よっぽど信仰が深い。


marocoba at 15:16│Comments(0)イスラム 

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